宇宙旅行ビジネスはサービスを作った者が勝てる。

国際宇宙サービス・山崎大地氏

まもなく宇宙旅行時代が訪れようとしている。
国際宇宙サービスの代表取締役・山崎大地氏は、「宇宙旅行時代到来はゴールドラッシュの到来」だという。
しかし、スコップを担いで宇宙に乗り込めというのではない。山崎氏の狙いはスコップを担いでやってくる富裕層を相手にサービスを提供することにある。
宇宙旅行を快適にするための「サービス」が圧倒的に不足しているのが今。そこにいち早く気付いた者だけが宇宙旅行時代におけるサービスの第一人者になれるのだと語る。

【PROFILE】
山崎大地
民間宇宙飛行士
https://astrax-by-iss.wixsite.com/taichi
有限会社国際宇宙サービス代表取締役/
株式会社ASTRAX代表取締役
https://astrax.space
国際宇宙サービス・山崎大地氏

宇宙旅行に申し込んでいる民間人は約10万人。

2017年、アメリカは「アルテミス計画」を発表した。これは2024年までに再び宇宙飛行士による月面着陸を実現させるというプロジェクトだ。
この壮大な野望に日本も協力する旨の共同宣言に署名しており、それは日本人宇宙飛行士が月面に立つ日が訪れる可能性が生まれたことを意味する。
「そう聞いても宇宙に行くことなんか所詮、他人事。国家プロジェクトの話で、普通の人々に現実味は感じられないと思います。でも、すでに10万人もの民間人が宇宙旅行の予約をしているんです。火星に移住したい人は20万人も!」と山崎大地氏は語る。

民間人による宇宙旅行と聞くと、通販サイト「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」創業者でスタートトゥデイ社長の前澤友作氏が思い浮かぶ。氏は2018年にイーロン・マスク氏が設立した宇宙開発会社スペースXと、月の周回旅行の契約を結んでおり、2023年に旅立つことを予定している。
「海外ではNASAから請け負ってロケットやスペースシャトルを作っている人たちが民間企業を立ち上げ、宇宙旅行をビジネスにしようとしています。世界には前澤さんのような富裕層は多いので、そのような人達を相手にすれば成立する。国家プロジェクトで選ばれた宇宙飛行士でなくとも民間人が宇宙に行ける時代なんです」

宇宙旅行には前澤氏が契約したプラン以外にもいくつかのタイプがある。
・火星移住(スペースX)。
・月の周回軌道を回る宇宙旅行(スペースX/スペース・アドベンチャー)。
・国際宇宙ステーション(ISS)に滞在する宇宙旅行(スペースX/スペース・アドベンチャー)。
・無重力状態を体感し、宇宙から地球を見ることができる小宇宙旅行(ヴァージン・ギャラクティック/ブルーオリジン)。
・成層圏に長時間滞在し、ゆっくりと地球を見ることができる成層圏宇宙体験旅行(スペースパースペクティブ/ワールドビューエンタープライズ)。
ISSに滞在する宇宙旅行だと約22億円だが、小宇宙旅行だと約2200〜3300万円、成層圏宇宙体験旅行であれば数百万円~だ。もちろん、決して安い額ではないが、非現実な価格でもない。10万人もが予約しているという多くはこの小宇宙旅行や成層圏宇宙体験旅行だ。

宇宙旅行時代にはサービスが必要になる。

山崎氏が代表を務める国際宇宙サービス(2005年創業)は、宇宙をフィールドとするベンチャー企業である。
宇宙を事業領域とするベンチャー企業は世界中に数多くある。日本に限っていうと実業家の堀江貴文氏がファウンダーおよびロケット開発事業を手掛けるインターステラテクノロジズや、小型ロケットによる打上げサービスを行うスペースワンが有名だ。
しかし、山崎氏のビジネスがユニークなのは、ロケットや人工衛星や宇宙船などのハードウェアを開発するのではなく、宇宙を利用したサービスや教育を作ることにある。
「宇宙旅行に行って何をするのかというと、たぶん、多くの人は無重力を体験するとか、地球を見る、くらいしか想像できないと思います。
しかし、実際に宇宙旅行に申し込んでいる人たちはそれだけでは満足せず、宇宙で結婚式をやりたいとか、コンサートを開きたい、映画やCMを撮影したいと様々です。我々の事業は、そういった宇宙船で旅行者がやりたい結婚式やコンサート、映像撮影を実現するためにサポートすることです」

例えば、宇宙船内で結婚式をやるとしたら、牧師だって必要だし、宇宙船内でこそ映えるウエディングドレスも必要になる。エンゲージリングをはめるにしても無重力を利用したかっこいい演出をしたい。グラスにシャンパンをついでくれるキャビンアテンダントや記念写真・ムービーを撮ってくれるカメラマンもいた方がいい。そんな要望を総て叶えようというのだ。
「そんなノウハウを持っている人は誰もいません。だからこそビジネスチャンスなんです。そして弊社は既に16年のキャリアがあり、お客様のどんな宇宙ニーズにも応えられます」

総ては土星に行くために・・・。

なぜ、山崎氏はそのようなビジネスをやろうと思い立ったのか?
山崎氏は1972年9月、神奈川県鎌倉市の生まれ。子どもの頃、自分で作った天体望遠鏡で土星を見たことで、『土星に行きたい!』と思うようになる。
だが、進学した高校は県でも下から数えた方が早い学校だったらしい。生徒の多くは卒業すると就職するものだった。
進路指導の先生から「どんな職業に就きたい?」と聞かれたとき「NASAで働きたい」と答えた。突拍子もない返答に先生は「絶対に無理!」と相手にしなかった。
しかし、負けん気から『絶対にNASAで働く』と決め、二浪して東海大学工学部航空宇宙学科に入学する。
「過去、50倍の難関を超えて航空宇宙工学の道に進学した生徒はいなかったので伝説になりました(笑)」
1997年に東海大学工学部航空宇宙学科を卒業。大学時代に観た映画「アポロ13」に刺激を受け、宇宙飛行士ではなく、宇宙飛行士をサポートし指示を送る宇宙船運用管制官になりたくて、三菱スペース・ソフトウエアに入社。国際宇宙ステーションの運用管制官として「きぼう」の開発及び運用準備に従事。
1999年、国際宇宙ステーションの実運用訓練生に選ばれ、アメリカ・テキサス州ヒューストンにある米国航空宇宙局(NASA)ジョンソン宇宙センターで働くことになる。
「NASAで働きたいという夢を叶えたわけですが、うちの高校でNASAで働いたことのある卒業生はやはりいなかったので、2度目の伝説になりました(笑)」
その後、ジョンソン宇宙センターでの訓練や、国際宇宙ステーション保全補給フライト、国際宇宙ステーション組立てフライト、国際宇宙ステーション米国実験モジュール組立てフライトなどに従事する。
しかし、2000年、女性宇宙飛行士候補者だった角野直子(現山崎直子)氏と結婚し、長女が誕生したこともあり、2004年、退職。専業主夫として育児や両親の介護などに専念することとなる。
この経緯は山崎氏の著書『宇宙主夫日記 妻と娘と夢を追いかけて!』(小学館)と『宇宙家族ヤマザキ』(祥伝社)が詳しい。

そして2005年、有限会社国際宇宙サービスを設立した。
「国際宇宙サービスと命名したのは、国際宇宙ステーションの略称がISSなのに引っかけてです。しかし、この名称を付けたことで、我々がなすべきことはロケットなどのハードウェアの開発ではなく「宇宙サービス」だということが、明確になりました」
宇宙管制官として働き、宇宙飛行士の配偶者として長年培ってきた「人間を宇宙に送り出すために必要な訓練やサポート」といったノウハウは総て国際宇宙サービスのビジネスやサービスでフル活用するのだという。
「そのなかで僕の目標は、月でも火星でもなく、土星に行くこと。今まで無理と言われたことを実現してきました。子どもの頃の土星を近くで見てみたいという夢を実現させることが僕の最大のミッションです」

宇宙時代というゴールドラッシュでいかにして「金」を掴むか?

「宇宙ビジネスにおいてのサービスの欠如というのは、国際宇宙ステーション計画に関わっているときから考えていたことでした」
宇宙をビジネスにしようとする日本のベンチャー企業の多くはロケットや衛星といったハード面に取り組もうとする。
しかし、ハード面で競争したところで、国家予算に依存して宇宙開発を行っている日本は、民間資本で宇宙開発を行っている海外ベンチャーの勢いには資金力や経験値の差で負けるのは目に見えている。なにより、ハード面ばかりを優先させてもサービスがなければユーザーは生まれず、宇宙ビジネスは成長しない。
「今はまだ小宇宙旅行でも約2200〜3300万円とコストは高いですが、1000人くらいを過ぎると一気に下がって最終的には10万円とか、飛行機に乗るような値段になります。コストが下がると宇宙旅行をする人は増え、マーケットも広がり、再びコストが下がり、また顧客が増えるという好循環がはじまります。その時重要なのがコンテンツや人材です」
その時に備えて、宇宙船内でこそ映えるウエディングドレスを開発したり、無重力を利用したかっこいい演出が出来る人材の育成や、宇宙船で活躍できるキャビンアテンダント、カメラマンなどの訓練を行っていくという。同時に様々なニーズに応えるための宇宙ミッションプロデューサーも必要になる。
「とはいえ、国際宇宙サービスで、それら総ての事業をやろうというのではありません。国際宇宙サービスの役割は、あくまでもポータル。宇宙でビジネスをしたいと考えている人たちを集めることが目的です。
それに、宇宙でやることはどれも初めて。やってみないとわからないことは沢山あります。各自がバラバラにやって同じ失敗を繰り返していては無駄があります。成功や失敗を共有することが重要。そして技術や設備も分担したほうが効率的なんです。
そこに国際宇宙サービスがポータルでいる意義があります。そしてみんなん連帯感を一つにまとめ、ブランディングを効率化するために「ASTRAX」という共通ブランドも公開しています。みんなでASTRAXをブランディングすることで、誰もが世界に挑戦できるようにし、最終的には「NASA」という最強宇宙ブランドを超えたいと思っています(笑)」

宇宙をテーマに事業をやりたいと考える人たちが国際宇宙サービスに集まることで、情報共有が可能となるだけでなくチームになることができる。宇宙ビジネスがより加速できると語る。
「宇宙旅行時代はまもなくやってこようとしています。僕らはその訪れを宇宙ゴールドラッシュと呼んでいます。
ビジネスチャンスはどんな分野でもあります。ウエディングドレスの会社やカメラの会社から宇宙でシャンパンを飲むためのグラスを作る会社まで。宇宙で使えるものを作って特許を取ったら宇宙の第一人者になれます」

1848年頃、アメリカで金の採掘ブームが起こり、一攫千金を狙った人たちがゴールドラッシュを生んだ。
しかし、ゴールドラッシュで儲けたのはひと握りのラッキーな人だけ。多くは夢破れて敗退した。
だが、金を掘らなくても儲けた人たちもいた。ゴールドラッシュで訪れた人々を相手にしたホテルやレストラン、採掘に便利なジーンズなどの服や日用雑貨を扱う店などだ。
「宇宙船から作ったらダメなんです。開発費もかかるし、リスクもある。なのにライバルは山のようにいる。そして作っても売れない。それよりも、先にサービスを作った人が勝ちです」
宇宙旅行時代というゴールドラッシュで、金を掘りに行くか、それともサービスを提供する側に回るか? どちらを選択するかを考えるのが良いみたいだ。

宇宙事業部を立ち上げよう!

山崎氏は、宇宙旅行時代で必要なサービスを生み出したいと考えている人たちとネットワークやコミュニティを作ろうとしている。会社でなくとも個人でもよい。とはいえ、「どこから手を付けたらよいのかわからない」という起業家や事業者が大半だろう。そんな人たちを支援するサービスを展開している。
方法は簡単。まず起業家や事業者は宇宙事業部を立ち上げる。そして、そのセクションの「宇宙事業顧問」を山崎氏に依頼する。すると宇宙に関連する様々な最新情報を受け取ることができる。
コースは4つ。
1.無料コース。現在このコースは終了。約500もの事業者が集まった。
2.シルバーコース。顧問料は毎月1万円。
3.ゴールドコース。顧問料は毎月10万円。
4.プラチナコース。顧問料は毎月50万円。
個人でも毎月1万円で山崎氏と顧問契約を結ぶことができ、webサイトや名刺に「顧問・民間宇宙飛行士山崎大地」のクレジットを入れることができる。さらには、宇宙船訓練シミュレーターや宇宙船運用支援管制センターを利用することもできる。そして山崎氏が宇宙に飛んだ際は、自社の顧問が宇宙に行ったという当事者にもなれる。これは単に宇宙の最新情報が入手できる以上に大きなメリットではないだろうか。さらに宇宙事業について学びたい人には、民間宇宙事業創造教育訓練学校「ASTRAX ACADEMY」というのも用意されている。宇宙ビジネスを始めるならまさに今がチャンスである。
お問い合わせは、
https://astrax-by-iss.wixsite.com/astrax-adviser
https://astrax-by-iss.wixsite.com/astrax-academy
https://astrax.space